従業員・人命安全
Safety & Security
安否確認、帰宅困難者対策、備蓄のルール。
1. 安否確認(連絡不能を前提にする)
発災直後は電話回線がパンクし、通話はほぼ不可能になります。 「電話がつながらない」ことを前提に、パケット通信(データ通信)を利用した複数の連絡手段を確保してください。
J-CIRCONからの補足・推奨
- 優先順位の明確化: ①災害用伝言版(Web171) → ②SNS(LINE/X) → ③社内チャットツール、のように優先順位を決めておかないと、確認作業が分散します。
- 「家族優先」の原則: 従業員は「家族の無事」が確認できない限り、業務に専念できません。会社への報告よりも家族間の連絡を優先させるルールを明記し、平時から家族内で連絡手段を共有することを推奨します。
2. 帰宅困難者対策(むやみに移動しない)
なぜ「72時間」待機なのか?
災害発生からの72時間は、倒壊建物からの人命救助における「生存率の境界線(黄金の72時間)」です。
この期間に大量の帰宅者が道路に溢れると、救急車・消防車・自衛隊車両が通行できず、助かるはずの命が失われます。
「帰らない」ことは、消極的な待機ではなく、「救助活動への協力」という積極的な人道支援です。
法的根拠と企業の責任
① 東京都帰宅困難者対策条例(条例第17号):
東京都では、事業者に「従業員の一斉帰宅の抑制」と「3日分の備蓄」を求めています(努力義務)。
② 安全配慮義務(労働契約法):
さらに重要なのはこちらです。企業には従業員の生命を守る法的義務があります。
もし会社がむやみに帰宅を許可(または命令)し、従業員が帰宅途中に落下物や群衆雪崩で死傷した場合、「安全配慮義務違反」として企業が損害賠償責任を問われる可能性があります。
待機判断のポイント
- ❌ NG:安全確認が取れていない状態での、革靴・ヒールでの徒歩帰宅。
- ❌ NG:「なんとかなる」という過信での移動開始。
- ⭕ OK:「災害時帰宅支援ステーション(コンビニ等)」の場所を把握し、水・食料・スニーカーの準備がある場合のみ、状況を見て移動。
3. 備蓄のルール(トイレが最重要)
「一斉帰宅抑制」を守るためには、従業員が社内で3日間生存できる備蓄が必要です。
公式ガイドラインでは「水・食料」が強調されますが、実務上最も深刻な問題となるのは「トイレ」と「電源」です。
企業が備えるべき「3日分」の算出目安
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💧 飲料水(1人 9リットル):
1日3リットル × 3日分。500mlペットボトルなら18本。2リットルなら4.5本。 -
🍱 食料(1人 9食):
乾パンだけでなく、アルファ米やレトルト食品など、エネルギーになるもの。アレルギー対応も考慮。 -
🚽 簡易トイレ(1人 15回分):※最重要
断水時、水洗トイレは使用不能になります。排泄は我慢できません。
計算式:1日5回 × 3日 = 1人あたり最低15回分の凝固剤・処理袋が必要です。 -
🔋 電源・情報:
モバイルバッテリー、乾電池式ラジオ。情報は精神安定剤です。
📄⬇ダウンロード用ツール⬇📄
以下の計画シートやチェックリストを印刷してご利用ください。
👥 従業員安全管理リスト
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安否確認・緊急連絡網ひな形 [準備中]
部署ごとの連絡網作成シートと、安否確認ルールの周知用チラシ。