統合BCP(Integrated BCP)

Business Continuity Planning

緊急事態において中核事業を継続・早期復旧させるための一般的BCP策定ガイド、
複合的な危機に対応するための「統合BCP」の概念と実効性のある計画策定
ポイントについて解説します。

1. BCP(事業継続計画)の必要性

BCP(Business Continuity Plan)とは、自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態において、事業資産の損害を最小限にとどめ、中核事業の継続あるいは早期復旧を行うために、平常時に行うべき活動や緊急時の手段を取り決めておく計画です。

現代においてBCP策定が必要とされる理由は、単なる「防災」だけではありません。

  • 企業の生存戦略: 被災後の倒産リスクを回避し、雇用と資産を守るため。
  • 供給責任(サプライチェーン): 取引先からの信頼を維持するため(取引条件となるケースが増加)。
  • 企業価値の向上: 危機管理能力が高い企業として、金融機関や投資家からの評価を得るため。

関連法令・ガイドライン

策定にあたっては、以下の公的ガイドライン等を参考にしてください。

▼ 公的ガイドラインを確認する

※外部の公式サイトへ移動します。

2. 策定手順と必須記載項目

形式的な分厚いマニュアルではなく、「誰が・いつ・何をするか」が明確な、実効性のある計画を目指します。

標準的な策定ステップ

  1. 基本方針の策定: 何を守るのか(人命優先、供給責任など)を決定。
  2. 重要業務の選定: 停止すると会社が傾く「中核事業」を特定し、目標復旧時間(RTO)を定める。
  3. リスク分析: ボトルネック(弱点)を洗い出す。
  4. 事前対策: ハード面(耐震・バックアップ)とソフト面(連絡網)の準備。
  5. 教育・訓練: 定期的な訓練を行い、計画をアップデートし続ける。

マニュアルへの必須記載セクション

  • 発動基準: いつスイッチを入れるか。
  • 緊急時体制図: 代行順位と役割分担。
  • 初動対応フロー: 安否確認から参集までの手順。
  • 代替策: 停電時やオフィス使用不可時の手段。
  • 財務対策: 緊急時の手元資金確保。

3. 統合BCP(Integrated BCP)

従来のBCPは「自然災害」を主眼としていましたが、現代の脅威は複合的です。
J-CIRCONでは、これらに対処するために独自に体系化した新概念「統合BCP(Integrated BCP)」への移行を推奨しています。

① 危機の統合 (Multi-Hazard)

自然災害、武力攻撃、サイバーテロ、情報戦、グレーゾーン事態など、原因を区別せず、すべての脅威を「エネルギー」として統合管理します。

② 時系列の統合 (Timeline)

「有事」だけでなく、「平時」→「予兆」→「有事」→「回復」をシームレスに統合します。
「予兆段階」において、H-DTAM等の解析データを情勢判断のための参考情報(インテリジェンス)として活用し、早期警戒体制へ移行するフローを構築します。

③ 情報の統合 (Information)

公的な被害数値などの「定量データ」に加え、現場の空気感や相手の敵意といった「定性データ(ナラティブ)」を統合し、意思決定を行います。

④ 主体の統合 (Actor)

経営層の「戦略的トップダウン」と、通信遮断時における現場・個人の「自律的ボトムアップ」を融合させ、指示待ちによる共倒れを防ぎます。

⑤ 運用の統合 (Operational)

BCPを棚の奥にしまわず、日々の業務フローの中に防災要素を組み込みます。日常のツールや手順がそのまま緊急時にも使える「フェーズフリー」な運用を目指します。

⚠️ BCP発動基準(トリガー)の独立性について

J-CIRCONが提供する危機レベルやH-DTAMスコアは、あくまで情勢を客観視するための「参考情報」です。
通信障害や誤検知のリスクを考慮し、当システムの数値をBCP発動・解除の「唯一のトリガー(自動発動条件)」として設定することは推奨しません。

BCPの発動判断は、必ず「政府・自治体の公式発表」や「自社施設への物理的被害状況」など、企業自身がコントロールできる確実な指標に基づいて行ってください。

※「統合BCP策定完全マニュアル」は現在準備中です。
まずは以下のツールを利用し、基礎的なBCPの策定から始めてください。

📄⬇ダウンロード用ツール⬇📄

以下の計画シートやチェックリストを印刷してご利用ください。

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